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Guapo!WEBマガジン[グアッポ!]

vol.3

チャリティランニングイベントPARACUP ~世界の子どもたちに贈るRUN ~を主催されている森村ゆきさん。ランニングとの出会い から、チャリティとランニングの深い関係まで、たっぷりと伺いました。

一般社団法人日本スポーツ&ボディマイスター協会理事
一般財団法人Runforpeace 理事森村ゆき

Photo:殿木修司
構成/文:lica
Hair & Make:大久保里香/斉藤未希
Video:Shingo
ランニングとの出会いは何だったのですか?

会社の先輩がホノルルマラソンを走った話しを聞き、30 歳になる前に友達を誘って参加することにしたのですが、そのために練習しだしたのがきっかけです。 それまではバスケットをやっていたので、バスケットのトレーニングとしての『ラン』はやっていたのですが、特別に取り組んでいたわけではなかったんです。 でも好きは好きでしたね。ホノルルマラソンには時間制限がなかったので、歩いてでも何とかゴールはできるだろう、足が痛くなっても根性でゴールしようと 思って参加しました。結局楽しみながら無事ゴールできたんですが。ホノルルの後は那覇マラソンなどのフルマラソンに年に一度参加していました。継続的に 走るというよりは、大会前に3 ヵ月だけ練習する感じで気軽に続けてきました。

初出場で走りきれてしまうものなんですか?

バスケットをやっていたので、ある程度は走れる自信はありました。それと、ホノルルの暑さって日本の暑さとはまた違って、気持ちがよい。生きてるなって 雰囲気を感じやすいんですよね。不思議と。ハワイってそんな場所な気がします。だからそれで走れちゃったみたいなことがあるのかもしれないっていうのは 思いますね。

森村さんにとってランニングの他のスポーツとは違う魅力を教えて下さい。

正直、淡々と1 人で走るのって何が楽しいんだろうと思っていたけど、やってみたら 究極のチームスポーツだと気づきました。得意不得意なくみんなで同じ気持ちを味わ える。例えば、試合にでる人数が決まっているバスケットは活躍できる人できない人 という概念がどうしてもあるけれど、ランニングはそうじゃなくてみんなが主役なん ですよね。しかも、他の競技では絶対に考えられないことですが、オリンピック選手 と一緒にレースに出ることができちゃったりする。オリンピック選手と同じ空間同じ 時間を共有できるってすごく魅力的ですよ。例えば金メダリストの高橋尚子さんと一 緒に走れる。球技なんかはそうはいかないですからね。

身体の健康と美容とが深い関係があるのと同じように、身体とマインド(精神性)にも強い繋がりがあると思います。
それに関する森村さんの考えを教えて下さい。

スポーツをすることで身体に意識がいき、マインドが良くなっていくことがあります。 走ることで成長を実感できるのですが、これってやっぱり大きいんですよね。今ま でできなかったことが少しずつできるようになっていくことって精神面にも素晴ら しい影響をあたえてくれるんです。ランニングの継続ってトレーニングの意味合い が強いと思うんですよ。人生における自己成長も何かの目的のために継続していく トレーニングじゃないですか。だから、どちらも似ていると思うんです。
私の場合今は、フルマラソンで3 時間15 分を切ってみたいという目的があるので、 そのためにみんなでトレーニングをしていますが、タイムを縮めるトレーニングと 共に、人生についてもトレーニングしている感じがします。あくまで楽しみながらですけど。

―3時間15分とは?
国際女子マラソンにでるための基準タイムなんです。この、3時間15分というタイムを切ると出れるんですよ。以前は3時間30分で出られる大会もあったんですが、近年全体の基準がどんどん上がってきているために、更に短くなっちゃって。

森村さんはランニングをすることが恵まれない子供たちへのチャリティに繋がるイベント(PARACUP) などの活動をされていますが、始めたのにはどんなきっかけがあったのですか?また、それにまつわるエ ピソードなどがあったら教えて下さい。

ランニングを始めたきっかけとなった2004 年のホノルルマラソンがとにかくすごく楽しかったんです。できれば 次回はたくさんの友人とホノルルマラソン行きたいな、なんて考えていたくらい。なんですがふと、こんなに楽しいなら日本でやろう、やれるかな、と友人が言い出しました。その頃チャリティの団体に所属していたので、どう せだったら走ることがチャリティ(※)に繋がる形にしようということに。その当時はランニングがはやっていた わけではなかったので、無理繰り友人を誘い、400 人の方々に集まっていただくことができました。自分でもびっ くりしました! 2011 年マラソンイベントも7 回目を迎え、前回はなんと4500 人の方が集まったんですよ。基本 的に仕事や家族と両立しながら約20 人のメンバーと作っています。4500 人に楽しんでもらおう、そして、チャリ ティにも繋がればと思ってやっています。

続けていると参加者がみんな生き生きしていくんですよね。もともとはチャリティに興味をもってイベント参加を していた方が、すっかりランナーになっちゃったり、走ることに興味をもっていた人が、チャリティに興味をもってフィリピンに行っちゃったなんてこともあります。それと、マラソンって規模が大きいんですよね。一度のイベントに4500 人集まっちゃう。ということは、1 人ずつが少しでも沢山のチャリティが集まる。また、4500 人という数も、現地の子供達に力になっているはずなんですよ。みんなが頑張って走ってくれたというのも子供達は分かっているんです。ちなみに、ちょっとした小話ですが、フィリピンの子どもに夢を聞いたら、「日本に行って、走ってくれた全てのランナーにお礼を言いたい」と言った子もいました。

ライフスタイルにおいてスポーツとビューティは限りなく近いところにあると思いますが、それに関する考えを教えて下さい。

汗をすごくかくので代謝がよくなって肌がきれいになったり、痩せたりスタイルがよくなったりということももちろんあると思うんですが、自分のやりたい ことをやることによって自信がついたり、いろんな出会いがあって交友関係が広がったり、人間として広くなる・・・みたいなことがあると思います。社交的で 明るくなっていったりね。走りはじめた人のそんなことを私はたくさん見てきました。見た目がどうこうというよりは、中身が美しくなるのかなって思います。

囲碁にも興味をお持ちという森村さん。どんなところが“はまりポイント” ですか?

囲碁には全く興味がなかったんですが、ワークショップで教えていただいて興味を持ったんです。自分は 負けず嫌いなのもあって、すごく面白くて。囲碁の対局中手に詰まってこれ以上手が浮かばないという時 ってすごく苦しくて、ランニングのもうこれ以上走れないという苦しさと似ているんですよ。頭脳を鍛え るのにも良いですしね。達成感という意味でも手を学んでいく過程がよく似ているんです。小さい階段を 少しずつ少しずつ登って、地道に実践をつみかさねていくっていう。負けず嫌いの私にすごく向いている んですよ(笑)。だから、意外とランナーにも囲碁好きが多いかも?
たまたま縁あって、PARACUP にも囲碁を試せるブースがあるんですよ!囲碁はまだまだ若い人に普及し ていないため、若い人への普及のためのブースになってます。

今後のランニング業界において展開したいことや、やりたいことを教えて下さい。

今、チャリティマラソン大会の代表をしていることもあって、自分が頑張ったことが誰 かのためになるようなイベントをもっともっとたくさんやっていきたいと思います。 9 月18 日に“Run Girl Night vol.2” というイベントを予定しています。10 月8 日には、 “PARACUP EKIDEN 東北につなぐTASUKI” という東北支援のための駅伝大会をやります。
楽しみながらできる駅伝がコンセプトです。

(※)チャリティイベントによって集まったお金の一部は、森村さんが自身で直接フィリピンに赴き、恵まれない子供達に寄付している。2011 年は寄付金額1000 万を超える大会になった。

PARACUP に参加するともらえるフィリピンの孤児院の子供達 お手製、完走メダルがわりの首かざり
人生で大切にしていることのバランスは?

「家族・友人・仲間がいること」「健康であること」「生きがい」 「わくわくすることができること」「誰かのために何かをすること」 「挑戦できること」「全体のベースとして・・・愛情」

Profile
森村 ゆき Yuki Morimura

人生初のマラソンとして、ホノルルマラソン出場をきっかけに、友人たちと~ PARACUP 世界の子どもたちに贈るRUN ~ を立ち上げる。2005 年に参加者400 人、寄付金額100 万円ではじまった大会は、2011 年大会では参加者4500 人、寄付 金額1000 万円を超える大会に。2010 年に一般社団法人PARACUP を設立。代表理事就任。仕事を持ちながら大会の企画 運営に関わる約20 名のスタッフとともに、PARACUP の企画運営を行う。
大学卒業後、不動産会社の営業を経て、ランニングを中心とした仕事に転身。東京マラソン第1 回目より、ボランティア スタッフの運営に携わる。現在はRunforsmile 株式会社を立ち上げ、ランニング大会、イベントの企画・運営・講演など を行う。自身も走ることを楽しみ、フルマラソンベストタイムは3時間16分。
今話題のファッション・ビューティー・メディア業界の女性ランニング企画集団「RUN GIRL( ランガール)」のメンバーとしても参画中。
一般社団法人日本スポーツ&ボディマイスター協会理事
一般財団法人Runforpeace 理事

ブログ:http://ameblo.jp/runforsmile/
Runforsmile 株式会社:http://www.runforsmile.com/
PARACUP:http://www.paracup.info/
ランガール:http://www.rungirl.jp/
日本スポーツ&ボディマイスター:http://www.body-meister.co.jp/
Runforpeace:http://www.r4p.me/index.html